こども食堂わだちは、伏見区桃山学区で、丹波橋駅に近い住宅の2階で、小学生親子などを対象に月1の頻度で開催されています。自分のできる範囲で無理なく、また地域とのご縁やつながりを大切にしながら実践されている代表の石田智子さんを取材させて頂きました。
私はもともと学校の教員だったので、普段たくさんの生徒と接してきました。その中でもう少し個別の対応や、1人1人の子どもと密接に接することができたらとずっと思っていました。学校という場所の中で出来ることに限界もあるし、学校を辞めた後に余裕をもちながら、地域の中で子どもと保護者の方も含めて接することが出来たらという思いで始めました。
はじめてのことなので、場所・人・モノが必要の中で、何からはじめてよいのかよく分からなかったので、すでに活動されている団体のHPをみたり教えてもらったりする等、時間がかかり大変でした。
ここはもともと両親が居た実家の倉庫のようになっていた場所でした。両親が認知症になってゴミ屋敷のような状況になっていたこともあり、どうすればいいかと考えていたところ、退職金を使って建て直すことにしました。子ども食堂の拠点のためだけというより、自身や夫がやりたいことをその時々で実現できる場所としてイメージしています。そのため、1階は夫のために菓子工房をつくり、2階をコミュニティスペースとしており、色んな活動を広げていきたい想いがあります。
必ず来てくれるスタッフが4名。うち1名は小学校時代の友人です。それ以外は、伏見区社協に相談してつないでもらった桃山学区社協から来て頂いています。その3名は、亡くなった母がもともと社協や民生児童委員等の地域役員をしていた時の後輩にあたることも分かり、快く来てくださることにもつながりました。私自身は若い頃に伏見から離れていたので、ここに来てやろうと思ったときに、もともとの地域とのつながりを感じられたことへの驚きや、つなげて頂いた区社協さんや、快く来てくださった地域の方々にすごく感謝しています。
来て下さる方にも家庭のご事情があるので、例えば学区社協の方には2~4時までとし、配食サービスのノウハウ(知識・技術)を教えて頂いて食材を切ったりお弁当並べたり等仕込みをお願いしています。そのあと、子どもが来る時間帯には別のスタッフが来てくださり、ライフスタイルに合わせたボランティア活動が出来るように工夫しています。
何気ないおしゃべりが私も楽しいし、日常の家のリビングに近いイメージで過ごしてもらえていることがいいところだと感じています。今後もみんながそれぞれの持ち味を認め合って交流出来る、そんなリビングだったらいいなと思っています。
また、子どもに新しい世界が見せられたらとも思い、長期休みにイベント開催もしたいと思っています。情報処理技術者である夫がプログラミングも出来るので、動くロボットをつくったり、色んな世界に関心をもってもらえたらと思っています。
大きな子ども食堂が常設型でするのも素晴らしいですが、自分のできる範囲内で、無理なく出来るカタチ・輪が広がっていけたら、地域のつながりも生まれていくと思っています。広げることも大事だけど、続けることと、色んな方が参画できることが1番大事かなと思っています。
1人で頑張っても限界があります。素晴らしい方はいっぱいいるけど、私にはあんなこと出来ない!ではなく、これくらいなら出来る!ということがすごく大事!そうでないと、自分事にならないと考えています。これくらいなら出来るという人が100万人いたら、1人の人が100万人分やらなくてもよいのです。そういう社会になっていったらいいなと思っています。
亡き母のつながりが残る地元で、地域の方々とのつながりに感謝しながら、地域の中での顔の見える関係づくりに励む石田さん。とても大切なことを教えて頂いた取材でした。
インタビューは動画でもご覧いただけますのでぜひご覧ください!